これまたラングのノワールものを鑑賞。グレンフォードの鋭さとグロリアグレアムの刹那さ。これぞモノホンのボードハイルド！！！！
ラングはゴッドファーザーやダーティハリーをはじめ、ありとあらゆる存命する映画監督や作品の土台に脈々といるのがわかる。
妻を殺された元刑事が単身悪に立ち向かう姿を描いた社会派作品なのだが、なぜブチ切れたり、涙したりせずに淡々と進むのか。それは本来「怒り」とは静かなものだからである。鑑賞者はただただその静けさに足を引きずりこまれ、構成や編集、演出もストレートなのでとてもわかりやすく、多くの人が魅了される一本だと思います。
聞き込みを重ねて徐々に核心に近付いていくサスペンスものとしては現代のそれと何ら変わらないが、娯楽作品としての強度とアートとしての映画密度両方兼ね備えた素晴らしい傑作。
ちなみに原題は「The Big Heat」これに勝るタイトルはないですね。
