勇気、賢さ、愛情深さ、
『そうか、これは（オズの魔法使い）
だったのだな！』と声が出る。
そう考えると、ウィル・ポールターの
顔が、ライオンに見えなくもない。
カカシは家を持たない。
ローズは誰よりも愛を欲していた。
そうかそうか、と唸っていて、
はたと気付く。
『うん。考え過ぎだな。』
この邦題だけだと絶対観ない作品だけど、
エマ・ロバーツ目当てで鑑賞。
いや、面白かった。面白いよね。
なんだろ？言うほど、下品でも
なかったけどなぁ。
テンポもいいし、そもそも、
脚本がよく出来ているよねぇ。
邦題はしょうもないし、
ア○ル連呼しているけど、
良いじゃん、良いじゃんって感じです。
観ていて思い出す（リトル・ミス・
サンシャイン）もけっこう下品
だったけどなぁ。アラン・アーキンが
演じたお祖父ちゃんだけ下品だったの
かもしれないけど。
大学時代からマリファナの売人を
やっている男は、30を過ぎても、
売人をやっていて、ある日大きな
ミスを犯す。ボスに呼ばれて、
メキシコからの密輸を命じられ、
八方塞がりだった男は、
いかにも無害っぽい田舎のファミリーに
なりきり、密輸を成功させようとする。
いつもは見下していた隣人たちに
声をかけ、即席の家族を作り、
いざ、メキシコの取引相手のアジトに
不釣り合いなキャンピングカーを
走らせる。
偽の妻を演じるのは、ジェニファー・
アニストン。と言っても、
ジェニファー・アニストンの映画って
観てきてないのよね。
収入も貯金も家も失って、この人も
八方塞がり。ストリッパーを演じてます。
偽の娘はエマ・ロバーツ。
帰る家のないホームレス生活で、
荒んだ生活をしている。
偽の息子はウィル・ポールター。
親に捨てられたんだか、
蒸発したんだか、育児放棄したんだか、
何故か主人公に、懐いてくる、
世の中も女の子も知らない男の子。
全員、八方塞がりで、
生きる意味を見出せない4人が
あまり悩むことなく、
キャンピングカーに乗り込む。
元々、生きているんだか、
死んでいるんだかわからない
毎日を過ごしてきたので、
今までの生活に執着もない。
今まで、誰も横に座ることもなかった。
愚痴ることも、軽口を叩くこともなかった。
うるせーなーっと思うこともなかった。
心配することも心配されることもなかった。
相手に謝ることもなかった。
一緒に変な帽子を被ることも、
そして、一緒に歌を歌うこともなかった。
勇気、賢さ、愛情深さ。
止まっていた時間が動き出す。
バカでかいキャンピングカーなのに、
近い場所に座り続ける4人。
どんなピンチでも旅を続けようとする4人。
楽しかったなぁ。
