前作で好評を博したマカヴォイ×ファスベンダー(掛け算の順序に拘りはないです)に、これまたシリーズで屈指の人気を誇るヒュー・ジャックマン=ウルヴァリンを絡ませた、キャラ萌えとしては豪華な作品。
前三部作にあったようなアクションは今作は控えめで、ウルヴァリンはほぼ狂言回しに徹しているため、いつものウルヴァリン無双や超能力バトルを期待する人には肩透かしかもしれない。
だがキャラクターの心情や魅力の掘り下げは本作のほうが優れており、人の仲を取り持つウルヴァリンという、既存のキャラクターの新たな一面を垣間見ることができる。特に青臭さを引きずったまま挫折したチャールズを演じるマカヴォイはまさに怪演の一語。
あと超能力バトルの半分以上はクイックシルバーが持っていった感じが。軽薄なキャラクターとチート能力のマリアージュがとても良い。
イマイチ振るわなかった前三部作をリセットしつつ、ファースト・ジェネレーションの良さを残したまま繋げたという意味では素晴らしい一作であるといえよう。