なべ

X-MEN:フューチャー&パストのなべのレビュー・感想・評価

X-MEN:フューチャー&パスト(2014年製作の映画)
3.9
老三部作・若三作のBlu-rayがAmazonで800円台だったのでまとめ買い。
まずはシリーズ中一番変な話のフューチャー&パストから。

あれれ、こんなにおもしろかったっけ?
ああ、そうか、初見時はタイムパラドックスな設定に「X-MENお前もか!」とか、センチネルの無敵感に「巨神兵かよ!」といちいちツッコんでしまって、ついつい批判的なモードで見てしまったんだったw
今回は知っている話を、余計なツッコミなしで、そのままを受け入れて観たおかげで、ちゃんと没頭できた。

キティによる、精神を過去の身体に憑依させる能力がタイムトラベルの肝。この方式は新しい。ウルヴァリンのダメージ回復力が精神にも適応するかどうかは置いといて(あ、ツッコんでしまった)、パトリック・スチュワートやイアン・マッケラン、ハル・ベリーのいる世界から、マカヴォイやファスベンダーたちの過去にダイブする新旧おまとめ感が素晴らしい。重鎮の深みある演技と若手のエネルギッシュでだらしない演技を同時に味わえるデラックス感。そして何より主役がウルヴァリンだと俄然おもしろいのな、X-MENは。

花柄プリントシャツにロン毛なマカヴォイを見て、どう贔屓目に見てもこいつはパトリック・スチュワートにはならんだろ!と思いつつ(あ、またツッコんでしまってる)、だんだん受け入れてしまってる自分がステキ!
あれほど興奮するなと釘を刺されていたのに、ストライカー(ローガンにアダマンチウムの爪を仕込んだ宿敵ね)を見つけて激しく動揺するウルヴァリンとか、合流して早々にミスティークを殺そうとするマグニートーとか、ハラハラする見せ場はあるものの、ブライアン・シンガーはアクションよりもマイノリティの苦悩や怒りを描くことを重視するので、どうしてもこじんまりしがちだ。その分ドラマ性は高まるので、ぼくはその方がいいんだけど、マーベルが好きな層からはDCっぽくて嫌われてるのではなかろうかと、余計な心配をしてしまう。実際のところDCっぽいし。
しかし、何より楽しめたのはクイック・シルバーの登場。本作で一番おもしろいエピソードなんじゃないか。
そもそもX-MENはチートなミュータントによるチート合戦が見どころでもあるので、こういう能力大解剖というか一十一(にのまえじゅういち)的な見せ方はとてもアガる。若いクイックシルバーがまた魅力的だしね。
そんな感じで、ファイナルディシジョンとファーストジェネレーションズの両方の続編でありながら、終わってみると両方のハッピーな完結編でもあったという巧いつくりとなっていて、ああ、よく考えられているわと感心した。
ここで終わればよかったのに、アポカリプスなんてつくるからおかしなことにw
また、わかった上で観るとアポカリプスもおもしろいのかもしれないが…いや、それはないかw
なべ

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