しおえもんGoGo

イコライザーのしおえもんGoGoのネタバレレビュー・内容・結末

イコライザー(2014年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

強くて、正義感あふれるヒーローぽく、優しそうにも見えるのに、それがすべてただの仮面だとはっきりわかる怖さを醸し出す、デンゼル・ワシントンの演技はさすが。

とにかく強くて冷静沈着。なにがあっても常に前もって準備されていて、ピンチにも焦ることなく対処する様は見ていて安心だし非常に爽快感があった。

一応彼の「正義感」でイコライザーを始めたようになっているけど、この「正義感」って本当に世間一般の正義とマッチしてるんだろうか。
まるでロボットのように決まったルーティンをこなし、同僚や顔見知りの前でだけスイッチを入れるように笑顔になるロバートはすでに心は死んでいて、ただ肉体だけが決まったプログラムに沿って動いているかのよう。
だから今回はたまたま世間的に見て悪党を懲らしめたからいいようなものの、彼の基準から外れたら昨日まで仲良くしてた同僚にも冷静に釘を打ち込みかねないんじゃないか、とすら思える。

そんなロバートにとって、再び暴力をふるう機会が訪れた時に、久しぶりに生きる目的を見つけたのではないか。たぶんこの静かな生活を続けていても彼は幸せだったとは思えない。
妻亡き後、犬と車の復讐のために明らかにやりすぎの大騒動を起こしたジョン・ウィックのように。ただジョン・ウィックがまだどこかどんくさくて愛嬌があったのに対し、ロバートはどこまでも冷静で作り物めいており、それが彼の魅力だと思う。

2が出ているみたいだけど、どうかこの先も人間らしさなんて発揮しないでほしい。

あとですね、あれほどの殺戮マシーンっぷりを同僚にがっつり見られ、正直銃でバンバン撃つよりちょっと引くようなDIY工具を使った死体を量産し、店をボロボロにしたあの状態で、そのまま引っ越さないの?
まさかホームセンターにそのまましれっと勤務してないよね。というかクビにならない限り自分から辞めるという選択肢はなさそう。
アクションの手際の良さ以上に、そのまま何食わぬ顔で元の生活に戻ってるところが一番人間らしさが欠如してて、それが最高に頭がおかしい(誉め言葉)。
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