カテリーナ

プリズナーズのカテリーナのレビュー・感想・評価

プリズナーズ(2013年製作の映画)
4.1
ペンシルベニアの雪景色が美しい
感謝祭での楽しい筈の家族の団欒
ケラー(ヒュー・ジャックマン)の家族は
近所の家で一緒に祝う為に外に出る
幼い娘は父親に肩車してとせがむ少し遅れて母親が駆け足で追いかける
青年に近い兄が父と並んで歩く
見るからに幸せそうなこの家族を襲った
誘拐事件 狙われるのは一番弱い妹

ひとつ上の感謝祭を一緒に過ごず家族の
妹と外へ出たまま帰らない
幸せだったふた家族が一瞬で不幸のどん底に叩き落される

感謝祭の夜を中華レストランでたったひとりで過ごす警官の名前はロキ
首にイシュタルの星の刺青をした一風変わった男がどこか不穏な空気を漂わせる
ケラーとは対照的に家族のいない孤独な
刑事がこの事件を担当する事になる

ケラーは時間が経てば娘の命が危ないと
一刻も早く犯人の口を割り娘の居場所を聞き出したい
容疑者として捕まったアレックスが釈放されると娘を取り戻したい一心で
越えてはならない一線を越える
険しい顔で肩を怒らせて娘の居所を捜すケラーに
狂気が宿る
それが時間とともに焦りの色を濃くし
歯止めがきかなくなる様子が恐ろしい
娘を必ず見つけるという信念が
暴力という形で暴走する

冒頭で鹿を撃ち殺す息子を
満足そうに褒め讃えるケラー
保守的で雁字搦めな思想のせいで
物凄く偏った考えに凝り固まる

ケラーと対照的な非常に柔軟な考えの
ロキはその名前の通り知恵を働かせ
慎重に捜査を重ねる
やがて割り出された容疑者は
警察の尋問に耐えきれず取り調べ室で
自殺を図る

その時のケリーのそんな筈はないという
顔が秀逸 自分は間違っていないと
目が血走り 最早形相が変わりつつある

捜査が難航し、事態は最悪の状態に向かって行く
ロキの性犯罪者の訪問で神父の家の
地下室から見つかったものは……
新たな疑問を呼び
事件は想像も及ばない事実が隠されていた

ポール・ダノ演じるアレックスが
憐れである
運命に翻弄され弄ばれそして傷つけられる
思考能力が無く事態を回避する事が出来ないので全て受け身である
彼が出来ることはただ、怯え、叫び
嘆願するだけであった

誘拐された幼い妹たちは生きているのか?
この誘拐事件の真相に隠されている驚愕の真実は?
ケラーの暴走が彼自ら窮地に立たされる
ロキは真相を暴くことができるのか?

全く予想のつかない結末に身を委ね
その後に考えてしまう
事件の後どうなったのか
カテリーナ

カテリーナ