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シンプル・シモンのろのレビュー・感想・評価

シンプル・シモン(2010年製作の映画)
5.0

「宇宙にも感情があるのかも」

以前から気になっていた作品!
TSUTAYAで発見し、鑑賞してみました♪

第1印象...ジュネ監督の「天才スピヴェット」に似てる!
登場人物がみんなあったかいからかな~。映像も可愛いし、音楽もコミカル。やっぱり、観終わってから笑顔になれる映画っていいですね~(*^_^*)


アスペルガー症候群のシモン。宇宙と丸いものが大好きで、時間に正確。予期していないことが起こるとパニックになる。そんな彼の良き理解者である兄のサム。あることがきっかけでサムは彼女と別れることになってしまう。落ち込むサムを元気づけようとシモンはサムの新しい恋人を探すことに...。


アスペルガー症候群について、あまり知らない私でも「なるほど~そういうことか~!」と取っつきやすい内容。

人が怒っている、喜んでいる...複雑な感情が読み取れないシモンのために家のリビングには にこちゃんマークが描かれたポスターが貼ってあります。口角が上がっていたら嬉しい気持ち、下がっていたら悲しい気持ち。街中で歩く人の顔とそのイラストを、シモンは頭の中で照らし合わせます。

パニックを起こしたシモンの逃げ場所はロケットに見立てたドラム缶。なかなか出てこないシモンにサムが寄り添う姿が素敵!シモンと一緒に宇宙飛行士になりきって話す様子にほっこりしました~(^^)


シモンとイェニファーがベンチで話す場面、好きだなぁ。
「この音楽を聴きながら周りを見渡してみて!」
ポップな音楽が流れだすと、世界は鮮やかに見える。
緑の中、子どもたちは風船を持って走り回り、カップルは気持ちよさそうにピクニックをしている。
「触らないで!」と言っているのに、特に気にせずマイペースなイェニファー。彼女の明るい雰囲気とポジティブな性格にシモンはどんどんペースを乱されていきます。

それからサムがシモンに”恋愛”を教える場面。
「磁石の同じ極が反発し合うだろ?それと同じようにそっくりな人間はお互いに反発する。一方、磁石の反対の極がくっつくように正反対の人間はお互いに惹かれあうんだ」
なるほど~。シモンだけでなく、私も頷きながら聞き入ってしまいました。

サムの言葉を素直に受け止めて、お兄ちゃんの恋人探しをするシモン。

デートをセッティングするため、SF映画ばかり観ていたシモンはヒューグラント出演の恋愛映画を買い占めちゃう。お兄ちゃんのためなら愛用していたドラムも売っちゃう。一生懸命がんばるシモンが可愛くて( *´艸`)いいですね~!

最後、イェニファーに見せた笑顔にグッときちゃいました!

「なぜ”うれしい”から”かなしい”になるの?」
「自分の心がこんな風に丸い形だって想像してみて。円の1番上にいるのは最高に悲しい時よ。それから少しずつ悲しみが消えて、立ち直って元気になる。嬉しくて幸福感に酔いしれて。また頂上に来たときにはすっかりのぼせ上がってる。その反対は悲しみのどん底よ。びっくりするほど簡単にこの境界を越えて”悲しい”になってしまうの」
ろ