『光』『あん』の河瀨直美監督作品
奄美大島に暮らす16歳の少年少女と周囲の大人たちの姿を通じて、自然と人間との共存や命について描く
穏やかな雰囲気の美しい奄美大島をバックに、思春期真っ只中の初々しい高校生の恋愛模様を交えながらの二人の成長物語
さらには“生”と“性”そして“生”と“死”の意義を哲学的に映し出す
奄美大島の自然を余すところなく捉えた映像美にぐんぐん惹き込まれつつ、シーン毎に変化するカメラワークや風景への長い間の取り方、そして海の音色、そのどれもが奄美大島の良さを存分に際立たせる演出であり、計算されつくした構成
ひつじの屠殺シーンがあるので気分が悪くなる方もいるかもしれませんが、綺麗事ではなく命を頂くというのはこういう事なんだと改めて思う
阿部純子の体当たりな演技が素晴らしく、リアルに奄美大島で暮らしている住人のような空気を非常に高めていたし、村上虹郎は本作で俳優デビューとの事ですが、新人とは思えない熱い演技に胸打たれました
そんな二人の希望に満ち溢れたまっすぐな眼差しには何度も吸い込まれそうになるほど
母の死や母との葛藤を経て、子供から大人へと成長した二人の姿は、微笑ましくもあり逞しく見える
公開当時、監督自身が最高傑作と謳っているのも納得の素晴らしい映画でした👏🏻🔥
2020 自宅鑑賞 No.290 U-NEXT
