広島カップ

やさしい本泥棒の広島カップのレビュー・感想・評価

やさしい本泥棒(2013年製作の映画)
3.9
第二次世界大戦の最中、町中に鍵十字の旗がはためく街で暮らすドイツ市民の様子を描く。
戦時中はドイツ人にとってもナチス党に睨みを効かされている生活は窮屈なものだった。日本でも特高や憲兵によって生活を縛られていたように。

日々カツカツの生活を送る老夫婦(ジェフリー・ラッシュとエミリー・ワトソン)は、国からの養育費を目当てに共産主義者の子の養子を受け入れたりユダヤ人の青年をかくまったりして粛清に怯えながら窮屈な生活を送っていた。

そんな苦しい生活の中で養子に迎えた女の子に対して、本を読む事を勧めて楽しみを与え本当の自分の子供として愛して行く夫妻の姿が人間としての温かさを感じさせます。
ジェフリー・ラッシュもエミリー・ワトソンもこうした役柄にピッタリの役者。特にエミリーは少女が家に来た時には強欲な冷たい女を演じていましたが、実は心の優しい女であったことを現して来る後半の演技が素晴らしかった。
美少女といってもいい養子の少女役のソフィー・ネリッセも老夫婦役の両名も、役者の演技に持って行かれた作品でした。
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