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(秘)色情めす市場のsunaimaiのレビュー・感想・評価

(秘)色情めす市場(1974年製作の映画)
4.6
ドキュメンタリー系の名作系譜に必ず登場する作品。いつか劇場でみたいと思っていたところ、横浜シネマリンの日活110周年特集にて念願成就。
通天閣を金網越しに望んだ後、眼下の路地に佇む芹明香に移動する冒頭シーンは素晴らしい。これ以降も作品全体にカメラワークが冴えまくる。普段はまったく意識しないのだが、寄りと引きのメリハリが凄くて、表情や身体から、匂いや感情が強く伝わってくる。
指名手配のポスターが執拗に登場するが、社会への破壊衝動ではなく、終わりなき日常を生きる女性のたくましさを描いている。だからこそ俳優陣の熱演もリアルだし、観終わっても不条理な日常に戻れる。今の時代に再評価されるべき作品。
公開当時、エッチな作品を期待して入場券を買った昭和のオヤジ達も、作品の熱量に納得したのではなかろうか。
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