sunaimai

浅草キッドのsunaimaiのレビュー・感想・評価

浅草キッド(2021年製作の映画)
4.3
水道橋博士と玉袋筋太郎の二人は、年に一度とある社長に成りきり、師匠のビートたけしを呼び出して歓待し、最後にたけしに一万円の車代を渡して帰すという。この作品で、そのルーツがたけしの師匠、深見千三郎にあったことを知った。

監督の劇団ひとりは、たけしの番組で才能を見いだされたビートたけし信者。たけしの歩んだ道を辿るほどに、師匠である深見千三郎を掘り下げることになるわけで、誠実なリスペクトが見事に結実し、深見さんに捧げる作品にもなっている。

監督の熱量は俳優陣にも伝播しており、松村邦洋に指導されたという柳楽優弥の佇まいは、たけし本人よりも似ている。相方のきよし役、ナイツ土屋も好演(土屋は普段からナレーション業なども実に上手く多才である)。さらに驚いたのは鈴木保奈美。実生活でも芸人の妻であったわけで、女将さん感もバッチリ。

ちなみにビートたけしは浅草キッドの二人演じる「社長」から頂いた小遣いを、神棚に祀っているという。
sunaimai

sunaimai