リッキー

猿の惑星:新世紀(ライジング)のリッキーのレビュー・感想・評価

4.2
984本目。190322
前作の「創世記」が大変見応えのある作品でしたので、続編にあたる本作も期待して鑑賞しました。前作から10年後の話で、ラストで匂わせていたウイルスが世界中に蔓延し、約90%の人々が死滅してしまいます。わずかな生存者は肩を寄せ合いひっそりと暮らしていましたが、頼りの電力が枯渇してしまいます。

人々は電力確保のため、森の中にあるダムを稼働させようとしますが、森にはシーザー率いる猿王国が存在しています。そこで人類と猿との争いが始まるかと思いきや、シーザーは無益な戦いは好みませんでした。鑑賞する前のイメージは「人vs猿」の壮絶な戦いに発展することを予測していましたので、良い意味で裏切られました。

シーザーは猿界の王であり絶対的な指導者という地位に君臨して、仲間を導いています。
10年間のうちに彼にも家族ができました。まだまだ未熟な息子の成長を見守り、妻の産後の状態を心配している姿や、人間からひどい仕打ちをされたことを今もなお根深く恨んでいる者の存在に苦悩する様などは、ほぼ人間にしか見えません。
側近の猿がクーデターを起こし、人間へ攻撃をしかけますが、これをきっかけに猿達も考え方の違いにより二手に分かれてしまいました。いつの間にか「人vs猿」の構図に、猿達の「部族間の衝突」が加わったようで、猿社会が進化したことにより人間の歴史を踏襲し始めているように感じました。

エンディングでは人間の主人公であるマルコム博士とシーザーは互いに尊重し合い、争うことなく共存するという姿勢でしたので、最悪の事態を回避することができました。
どんな社会でも群れのリーダーの器量によって、その運命は決まっていくのだと強く実感しました。次回の作品ではどんな展開になるのでしょうか。楽しみです。
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