OASIS

サード・パーソンのOASISのネタバレレビュー・内容・結末

サード・パーソン(2013年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

パリ、ローマ、ニューヨークの3つの都市を舞台にした3組の男女の群像劇。
監督は「クラッシュ」のポール・ハギス。

ストーリー等を全く読まずに観たので、鑑賞中盤はずっと「?」が浮かんでいる状態で、果たしてこの物語が描かんとしている事はなんなんだろうか?だとか、本当に収束して行くのだろうか?という不安ばかりが頭の中を駆け巡ってばかりいた。

前半部分ではほぼ繋がりは無くそれぞれのエピソードが描かれて行く為退屈。
話が動き出すきっかけは一枚の「メモ用紙」で、何故それが離れた場所にも関わらず文字が裏表で存在するのか?というのが違和感を覚える原因にもなって段々と物語の構造が見えてきました。

一応の主人公であるリーアム・ニーソンがスランプの小説家という人物設定である事からもう大体察しが付きそうな話でもあるが・・・。
三者三様に子供の命に関する罪を背負っていたり、白いシャツや白いバラ、白いメモ用紙等それぞれ違う場所の筈なのに何故か共通する過去やアイテムが配置されている事からも読み取れると思います。
自分は、冒頭とラストに映るリーアム・ニーソンこそがこの話の語り部であり、辛い事実や空想を脚色しつつも自分の願った世界として書き上げようという話なのだと思いました。
つまり、「彼」とその元妻、愛人とその父意外は何処かで生きているかもしれないが虚構の人物であり、「彼」が贖罪の意味で自分の現状を重ね合わせて作り上げたキャラクターを動かす事によって、今の状況を打破する手立てとしようという事なのかと。
そうするとミラ・クニスとジェームズ・フランコの話は一体何だったのか・・・。
やはりメモでマイケルとの間に介入して来たジュリアも現実の世界の人なんでしょうか。
ということはやっぱりノンフィクションを元にして脚色した話というのが正解なのかと考えると頭が痛くなりそうな話で、自分みたいな馬鹿だと結末の捉え方も間違っていそうで怖いです。

それら沢山の要素が収束していくラスト10分は盛り上がりますが、そこまでのストロークが長過ぎた上、しかも大体の構造は分かってしまっているので面白さは感じず「だからなんなんだ?」という思いの方が強かったです。
巧みに交差する群像劇は描く気が更々無いのかもしれないが、ミステリーとしては最もやってはいけない類のオチだと感じたし、一つにまとまっていくカタルシスもモヤモヤのせいで掻き消されてしまうという状態でした。

そんな事よりも、リーアム・ニーソンのお腹がダルダルンな事の方が気になる映画でした。
そして、全裸でホテルを歩き回るオリヴィア・ワイルドが一番の見所だと思います。

@TOHO梅田
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