kekq

バウンドのkekqのレビュー・感想・評価

バウンド(1996年製作の映画)
3.6
ウォシャウスキー兄弟によるコンパクトなクライムサスペンス。本当に面白い映画作ってハリウッドの天下取ったる!というエネルギッシュな野心が伝わる佳作です。

前半のきちんと溜めてきちんとエロい性描写から、中盤以降の怒涛の展開が練りに練られていて素晴らしい。弱者が強者に立ち向かう王道の構図でありながら「主人公だけは何があっても撃ち殺されない」という不文律にもギリギリの理由づけがされており、どうせ助かるんだろうという先読みがしづらい展開も目が離せません。
一番悪いやつも悪いながらに中間管理職の哀愁がほとばしっていて、その必死さも同情に値するキャラクター。

大きなムーブメントのあった時代なのでどうしても比較してしまいますが、駆け引きのインテリジェンスの高さから頭一つ抜けており、今見てもしっかり楽しめる映画でした。
90年代は映画もそろそろ再評価が高まる周期でしょうか。
kekq

kekq