三流

アントマンの三流のレビュー・感想・評価

アントマン(2015年製作の映画)
4.1
蟻サイズのヒーローと言うことで、他のマーベル・ヒーロー物と比べてしまえば迫力と言う点では圧倒的に劣りましたが、コメディ系の製作陣が作り上げたこともあってか、クスッと笑えるところが思いっ切りツボに嵌って、意外と言っては失礼ですが他シリーズに引けを取らないどころかそれ以上に楽しめた部分もあった作品でしたね。
正直最初はポール・ラッドが主演だし何かショボそうだなと思っていたんですよ、でもショボさを逆手に取ったような、蟻サイズだからこそのストーリー&アクションでこうも面白い作品を作ってしまうとは、これはホントお見事でした。

主人公スコットの冴えなさぶり、欠点だらけだった人間臭さも、何気に好ポイントでした。
全てがうまくいかず、家庭も仕事も失って、ただ娘に愛されたいだけなのに養育費すらまともに払えず邪険に扱われるのが見ていてホント切なくて、他のヒーロー物とはまた違った感情移入度がありましたね。
世界を救う物語では無く、娘からの信用を取り戻し、娘のヒーローになりたいと願うストーリー展開は、結構好きでしたよ。
そこに軍事企業の悪とアベンジャーズ絡みの話を絶妙に織り交ぜてあるところがまた見応えあって良かったですね。
使い勝手がありそうな蟻サイズのヒーローだけに、今後多方面での活躍も楽しみです。
アントマンのスーツの見た目がちょっとダサ目だったのはやや気になるところでしたが(苦笑)

それからスコット親娘側の話だけでなく、ピム博士親娘も加えたW親娘の物語だったところも見逃せない要素だったでしょうか。
娘を愛する男同士の妙な連帯感、何かグッと来ますね~、そして親の心子知らずとはよく言ったものです。
マイケル・ペーニャを筆頭とした三バカトリオも忘れちゃいけない、いい箸休め要素として笑わせてもらいました。
迫力はもう一歩でも、こう言った変化球で面白い作品を作ってしまうからマーベル作品は侮れませんね!
若干虫描写のアレにはゾっとさせられましたが、基本的には終始面白かったマーベル・シリーズ作品でしたよ。
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