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ドクター・ストレンジの三流のレビュー・感想・評価

ドクター・ストレンジ(2016年製作の映画)
3.6
この映画は、まず何と言っても革新的な映像世界に目が行きました。
話的には言うなればアメコミ物でよくあるタイプのヒーロー誕生物語でしたから、まあドクター・ストレンジ誕生秘話として十分楽しめたのは楽しめたのですが、やっぱりこの革新的な「インセプション」進化版的映像の方が強く印象に残った作品ではありましたね。
上下左右、曲がったり歪んだり入れ替わったりで、もう目が回って大変でした、でも精神世界と言う特殊な環境を示すにはこれ以上ない映像でしたね。
ド派手な映像に圧倒される映画は多々ありましたが、この映画はそれらの映像とは一線を画す最強VFX映像で、まさしくその技術力の高さをまざまざと見せ付けられた作品だったなと思いましたよ。

しかしべネディクト・カンバーバッチ以外ドクター・ストレンジを演じれる人は他にいないのではないかと言うぐらい、物凄く嵌り役だった印象ですね。
私失敗しないので的な天才外科医でありながら、その人柄は傲慢そのもの、この男がヒーローとして成長するには、あのぐらいの精神世界を経験しないと確かに無理かもしれないですよねぇ。
まあ正直魔術を習得していくスピードが早すぎて、やや拍子抜けした部分もあったのですが、基本天才だからあれはあれでOKなのかな・・・。
とりあえず数々の魔術は画的に見ていて楽しめました、特にどこでもドア的なアレ、いいですねぇ!
まるで相棒のようなマントも、妙にいい味出していて好きでした。

ただ明確な悪役と言うか、アメコミ物によくある強烈な悪役がいまいち存在しなかったので、まあマッツ・ミケルセンもそれはそれで良かったですけど、若干物足りなさは感じましたかね、それを補って余りあるのはあの映像って感じだったのでしょうが。
一方、師匠のティルダ・スウィントンやヒロインのレイチェル・マクアダムス等、脇役キャラは結構好印象で、特にレイチェルのしぐさが可愛くて好きでした。
どうやら今後も医者であることに拘る高飛車ヒーローの活躍の場は増えていきそうな様子ですから、どう展開していくのか、楽しみですね。
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