三流

シェイプ・オブ・ウォーターの三流のレビュー・感想・評価

4.8
予告編を見た時に絶対これはド嵌りするだろうなと思ってはいましたが、見てみたらやっぱりド嵌りしちゃいました、いい映画でしたね、アカデミー賞受賞も思いっ切り納得の内容でした、しかしあのギレルモ・デル・トロ監督がアカデミー賞受賞ですかぁ~、アカデミー賞もようやく開かれた社会になりましたね!
しかしまあ種を超えたラブストーリーには、どうしても惹かれてしまいます、言葉はなくとも心で通じ合う、言葉にすれば安っぽいですが、それをこれだけ深みのある映画に仕上げてしまうとは、デル・トロ監督の手腕、お見事の一言でした。

根底にあるのはラブストーリーでありながら、サスペンスフルな映画でもあり、モンスター映画でもあり、時代背景を加味した政治ドラマでもあり、一つのジャンルではくくれない、まさしくデル・トロ監督最高傑作と言える映画でしたね。
水に拘った映像にもウットリとさせられましたし、音楽も最高でした、時折挟まれるユーモアにもクスッとさせられましたし、ホント全ての要素が詰まっていたなと感心させられましたよ。
口がきけない女性、半魚人のような謎の生き物、黒人、ゲイ等々、マイノリティ賛歌的作風もとても優しさに溢れていて、心に響きました。
それと東西冷戦時代だからこその映画でありながらも、今の時代にも通じるテーマだった辺り、なかなか深みがあって良かったですねぇ。

それにしても役者陣があまりにも完璧な配役過ぎて、見ていて本当に魅了されっ放しでした、地味な面々ですが、ネームバリューではなく監督拘りの実力派を揃えたからこそこれだけの作品に仕上がったのは間違いないところでしょう。
主役のサリー・ホーキンスなんか、見た目的にはどこにでもいる普通のオバサンなんですけどね、最初は脱がれてもそんなに見たくないと思ってしまったのですが、いつの間にかあの裸体の虜になっている自分がいたりしました、役者の生かし方が本当に素晴らしかったなぁ。
終わってみれば極上のファンタジー映画に昇華する辺りもデル・トロ監督っぽかったですし、まあ本当に見応えたっぷり、私的には大満足な作品でした。
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