LalaーMukuーMerry

紙の月のLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

紙の月(2014年製作の映画)
3.9
紙の月、英訳すればPaper Moon。アメリカの「ペーパームーン」は凄~く良い作品ですが、日本の「紙の月」は業務上横領をする女性銀行員の暗くてどよ~んとした作品でした。
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その昔ヌード写真集の広告を新聞一面全部を使って話題になって、ちょっとはお世話になった宮沢りえが主人公であっても(情報が古い!)、全く感情移入はできませんでした。夫のいる身でありながら、若い男に貢ぐため、他人のお金を横領するいろいろな手口が細かく描かれます。そのあたりのスリルがストーリーに入り込ませる力なのでしょうが、こんなのどう考えたって破綻するのは目に見えているのに、ずるずると堕ちていく女。
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なんでこんなことするかなぁ? その理由と関係しているのでしょうか、少女時代の募金のエピソードも何屁理屈を言ってんだ!って感じ。
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それにラスト、なぜ逃げおおせる? 最後に会った東南アジアの露店のお兄さんは、彼女から寄付をもらって感謝の手紙を書いた少年だったのだろうか? お金に色はないとは言え、盗んだお金をもらった人は、その事実を知ったら複雑な気持ちになるし、ありがた迷惑だよ。 
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「ショソン」という耳慣れない言葉が何度も出てきて、どうやら銀行で使う専門用語らしいのだが、私には何のことかさっぱり見当がつかず。後の方になって漢字で「書損」と映し出されて、やっとピンときた。なんだ、書き損じた伝票のことか、ひとつ賢くなったわぃ(笑)