Azuという名のブシェミ夫人

ジゴロ・イン・ニューヨークのAzuという名のブシェミ夫人のレビュー・感想・評価

3.7
『若くないしイケメンじゃないけど、セックスアピールは最高』ってアレン爺に唆されて、まさかの男娼デビューのタトゥーロ。
ところが、意外にこれが大人気。
セレブな女性達は身も心も彼の虜となるのである。
そんな稼業を続ける中、あるラビの未亡人と出会い・・・。

タトゥーロが生け花するんだけれど、映されるその手つきが妙に色っぽい。
まさかタトゥーロに色気を感じる日が来るとは。
わたしの中では『ビッグ・リボウスキ』のジーザスのイメージが強すぎて・・・笑
こんな脚本を書く人だったんですね、ジーザス・・・じゃなくてタトゥーロ。
ウディ・アレンに共通する少しビターな可笑しさ。
でもこれはウディ・アレンの作品では無いということをしっかり前提にして観るべきですね。

予告篇を見てた時に、ジゴロであるタトゥーロを『アイスクリームのフレーバーに例えるとピスタチオ』と劇中の女性が評していたのですが、どんな男だよとピンと来なかった。
そしたら偶然にもコンビニのカップアイスで期間限定ピスタチオ味のアイスクリームを発見!
アイスを食べながら鑑賞してみました。
でも、考えてみたら『アメリ』を見ながらクレームブリュレ、『ショコラ』を見ながらチョコレート、『パルプフィクション』を見ながらバニラシェイクみたいなのとはちょっと違うだろ私。笑
ひとさじ口に入れる度、
『こんな感じかぁ…タトゥーロ…』
『これが・・・タトゥーロの味…』ってなって超複雑。
痛恨のミス。

脱線しましたが、内容は意外にも切ない雰囲気のラブストーリー。
アレン爺がちょいちょい笑かしにかかるので、シリアス過ぎずに軽妙ですがね。
大人の狡さとそれに相反する弱さ。
ごまかせるようになっただけで、ほんとは余裕なんて無いのだ。
特に恋に落ちたときは。

女性陣がまぁぁ美しいので、アレン&タトゥーロの枯れた雰囲気を潤してくれる。
ヴァネッサ・パラディが歳とっても相変わらずの透明感♡
オシャレな音楽とニヤリと笑いたくなる余韻の残るラスト、しっとり素敵でした。