しゅんかみ

ジョン・ウィックのしゅんかみのレビュー・感想・評価

ジョン・ウィック(2014年製作の映画)
5.0
 「死んだ妻が遺した犬をマフィアに殺されたキアヌ・リーブスが復讐に立ち上がる映画」

 このあらすじと、キアヌがなにやらとんでもないガンアクションをやる、と聞いて傑作の予感しかしなかったので、できる限り予告も本編クリップも観ないでこの日を待っていました。

 生きてこの日を迎えられて本当に良かった…こういう映画に出会うために映画を観てるんですよ僕は…もうね、観てる間「この映画天才だ…最高だ…」と拝むような気持ちで、そしてこういう映画が観られる事が嬉しすぎて終始笑顔で観てしまいました。


 最初は思わず吹き出してしまいそうだった「死んだ妻が遺した犬が〜」というプロットが、いざ観ていると開始数分で「いや、こんなんされたらもう殺すしかねえ!!!やっちまえ!!!」という気にさせてしまう手際がもう本当にお見事。しかも犬だけではなく、ジョンがもう一つ人生の楽しみとしているものまで奪われる。もうこれは殺すしか無い。存分にやってくれ。

 そしてほとんど間を空けずにやって来てくれるガンアクション。ガン=カタとはまた違う泥臭さがあるアクションは、とにかく人を殺すことに特化されたような素晴らしすぎるシーンだった。監督がスタントマン出身と知って大納得。パンフレットによると、あの銃を体に寄せる構え方は室内戦に有利な上に装填もしやすいというスタイルらしく、また激しく納得。早速ジョン・ウィックごっこに取り入れます。

 そんなアクションも素晴らしいんだけど、キメの絵もバッチリシンメトリックになっているうえに、音楽もカッコいい。さらに音楽に重なる銃声。
これ以上のものは映画には不要。
クラブのシーンとか本当にいつまででも観ていたかったよ…


 キャストもジョン・ウィック役はもちろんキアヌ以外考えられないし、マフィアのボスのミヒャエル・ニクヴィスト、そしてその息子のチャラさも完璧なキャスティング。息子の取り巻きに『デアデビル』のウェスリー役のアイツがいたり、女殺し屋が『エージェント・オブ・シールド』のエイドリアンヌ・パリッキだったりしてMCU好きは嬉しくなるし、ウィレム・デフォーもジョン・レグイザモも最高。書いてて思ったけど、この手の映画にしては主人公ジョン以外全員敵、というわけでは無いのも新鮮な気がした。

 新鮮と言えば、ロシア語がバンバン使われていて英語字幕が出て、さらにその字幕の中で単語がいちいち強調されてるのも笑った。
 そういうとこも含めて、一歩間違うとダサくなってしまいそうなのに、その間を縫って唯一カッコよくなるポイントを通して来る映画でもありました。エンドクレジットもまた絶妙なクールさなんですよこれが…

 銃声や雨音、音楽が重要な映画なので、ぜひIMAXとか音響の良い劇場で!レンタル待つとか甘ったれた事は禁止な!!キアヌとの約束だ!!