カルダモン

恐竜100万年のカルダモンのレビュー・感想・評価

恐竜100万年(1966年製作の映画)
3.2
恐竜メインの映画かと思ったらまったくそんなことはなくガッカリ。終始、ホモサピエンス達の醜い争いが繰り広げられグッタリしました。ただハリーハウゼンの特撮は楽しい。特にアーケロンやプテラノドンのモーション、トリケラトプスvsティラノサウルスのプロレスなんかはとても生き生きと描かれるので、人間の演技以上の温度を感じました。

ところで『恐竜100万年』て邦題は雑すぎやしませんかね。どういう意味なのかさっぱりわかんない。でも、なんか勢いを感じるのでこれはこれでアリ(か?)
恐竜時代は約1億5000万年前、人間はせいぜい数百万年前。出会うわけないんだけど出会っちゃうのが映画のマジック。そもそもここが地球であるという説明などないので架空の星の話かもしれませんが。

この映画では原人達が主役なので、言語らしきものはありません。基本は唸ったり吠えたり、身振り手振りや表情で意思疎通します。でも不思議なことに名前という概念はしっかりとあるようです。お互いを名前で呼びあうのに他の言葉は喋れない。色々とチグハグで大混乱します。

セリフがないことによって基本はアクションで物語が進行するのですが、全編を通じて非常にボンヤリとした演技、あるいはわざとらしい野蛮さで動き回るため、今どんな心境なのか、なにをしたがっているのかまったく伝わらず、なんだかイラつく。
で、部族の女性達はビキニっぽい毛皮の服装という露骨なセックスシンボルとして描かれてて、なんだかなあという感じ。どうでも良いけどジャケに描かれてるイラストの女性、ヒステリックグラマー感あるね。Tシャツが売ってたら部屋着にするかも。

とまあ全体的にゴッコ感が強くて、ややシラケ気味です。特にクオリティを求めてた訳じゃないのに、ずっとツッコミを入れながら観てました。
それはそれで楽しい時間を過ごせたので、まあヨシ!





追記
洞窟で暮らすゴリラ族みたいな奴らが正体不明すぎて不気味だった。全身毛むくじゃらなので主人公の部族とは明らかに進化の速度が違っており、せいぜい猿人止まり。カメラも引き気味で遠目に撮ってるので、顔とか判別できないのも妙に怖い。特に物語に絡むこともなく、ただただ不気味感を残していきました。あれは一体なんだったのだろう。