PizzaFat

ビッグ・アイズのPizzaFatのレビュー・感想・評価

ビッグ・アイズ(2014年製作の映画)
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伝記映画としても、ビジュアル映画としても満足度の高い映画だった。
非差別対象の寡黙なヒロインが口だけが達者な夫を克服していく様はサクセス・ストーリーとしても伝記としてもおもしろいし、ポップ・アートを題材にティム・バートンが撮った映画ということもあってビジュアル的にとてもきれいだ。
これだけで十分な気もするが、一点残念な点があった。
それは、当時の女性社会的地位が低かったことが絵的に描かれていなかったことである。夫のセリフや常識からそれは当然わかることなのだが、その他の要素がきれいに絵的に描かれていただけに少し残念だった。
登場人物の人間性をクローズアップするための意図的な構成なのかもしれないが、当時の時代背景があってこそ、夫の事を単純に拒絶しきれないヒロインの複雑な自意識があるのだから、それはきちんと表現するべきだったと思う。極端な表現になるが、男性に当たり前のように主従するような女性像を何処かで挟めば納得しやすかったのかもしれない。
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