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エベレスト3DのPizzaFatのレビュー・感想・評価

エベレスト3D(2015年製作の映画)
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山ってやばいね、という恐怖映画である。
エベレスト登頂の前知識はゼロだったが、ヤバさはなんとなくわかる映画だった。
序盤から中盤にかけてのエベレスト登頂までは割りとスイスイしている。エベレスト登山は、エベレスト専門の登山ツアー会社のガイド付きで登頂するものらしく、数週間の高地トレーニングから、常設のベースキャンプまでツアーメニューに入っている。そこに山登りに人生と大金をかけ、数多の高山を制覇してきたオジサン、オバサンたちが集結するのである。正直、山登りを知らない人間のイメージからすると割りとヌルいなという印象すらする。
本作の進行も、頂上手前までは台湾隊や南アフリカ隊といったあからさまに弱そうな中隊以外は結構スムースに進行し頂上付近まで到着する。
しかし、終盤にかけては地獄絵図である。屈強なオジサン、オバサン達が吹雪に巻き込まれ、酸素が酸素が足りなくなって発狂したり、失明したり、凍傷で動けなくなったりしてしまう。映像的にも、中盤以降から完全にトーンが変わり地獄モードに切り替わり、もうどうしようもない感じが漂ってくる。
地獄感満載なのはとても良いことだが、あまり科学的死因がはっきりしないのは残念だった。
主人公クラスのオジサンは登頂途中で失明してしまうが、それが高山特有の症状なのかイマイチ分からないし、凍傷になるってどういうことなのかも、一般的にはわかりにくい。もう少し説明的的に酸素がないことのヤバさだったり、凍傷のリスクだったりを知識として植え付けてから地獄絵図を展開してもらえれば、より恐怖感が増したのではないだろうか。
それがないからか、山ってマジでやばいんだね、という印象だけに落ち着いてしまっているように思う。
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