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殺人ワークショップの消費者のレビュー・感想・評価

殺人ワークショップ(2012年製作の映画)
3.8
・ジャンル
ドラマ/サスペンススリラー

・あらすじ
同棲する恋人、高木から度重なる暴言や暴力を浴びせられ続けてきたアキコ
そんな彼女の元に1通のメールが届く
それは安全でバレない殺人を教えるというワークショップへの勧誘だった
苦痛に耐えかねたアキコは藁にもすがる思いで参加を決意
指定場所へとやって来ると既に彼女以外に5人の参加者がいた
動機も標的もバラバラな彼らは手始めとしてナイフを模した道具で実践練習を命じられるがそう簡単に腹が決まるはずもない
参加者達に容赦なく叱責を浴びせる講師、江野
その末に練習台となった快楽殺人志願者、ユウマに刺されたのは本物のナイフだった…
更に裏切り者を出さない為に、と全員にユウマを刺すよう命じられてしまう
思いもよらぬ死者の発生に困惑する彼ら
しかしその後も次々に死者が発生していく
残された面々は稽古もそこそこにそれぞれの復讐へと向かうが…

・感想
白石晃士監督による「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」のスピンオフ作品
ストーリーに繋がりはないが主人公、モリアキコの恋人としてシリーズ2作目の投稿者、高木がDV彼氏として登場している

導入部で描かれたアキコへの高木のモラハラや暴力は生々しくツカミとして良かった
頭が悪過ぎて会話が成り立たず、一方で頭や尻という痣などが見つかりにくい部位をグーパンせずはたいたり蹴ったりという小賢しさ
こういったDVの解像度は結構高い方だったと思う

理不尽な実践練習で参加者達が次々に死へと追いやられたり、最初の殺人前のDQN2人が開き直る感じも胸糞悪く印象的
特に練習の中で裏切りや逃走を阻む為に江野が追い込む様に彼らを支配していく様子はB級作品にしては悪くない
簡単に参加者達が殺しに染まっていかないのも期待通り

問題は2つ目の殺人からの展開
恋人と思っていた男性に容姿をコケにされたエミが裏切ってしまうまでは許容範囲だったけど結果として結ばれてしまうっていうのは…
そんな安いロマンスは要らないんだよなぁ…

とはいえその後にアキコの取った行動は既に殺人を犯した者ならではの失う物の無さが生み出す残忍さを感じられ期待以上の展開だったと思う

トータルで見ればそこそこ楽しめた
それだけに白石監督らしいチープさが悪い方向に行っていたかなぁ、と…
「August Underground」シリーズみたいなゴアと不快描写にまみれた作風だったらより面白かった気がする
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