このレビューはネタバレを含みます
リュック・ベッソンの描く強い女の映画である。
今回は今時小中学生でも知ってそうな「人間の脳は数パーセントしか使われていない。ならば、もし脳の機能を更に使えるように覚醒したら……?」が命題。
そんな、誰もが一度は考えそうな妄想をモーガン・フリーマン演じる教授っぽい人が堂々と大勢の人々を前に語っている。
一方の我らがスカヨハはDQNの男友達(知り合って一週間)に半ば強引に妙な依頼を頼まれ、いろいろあってチェ・ミンシク率いる韓国マフィアによって腹にドラッグを仕込まれ海外へと運ぶ羽目に。っていうかチェ・ミンシクに会ったときに挿入される「チーターの捕食」みたいなディスカバリーチャンネル映像は何の意味があったんだ!?
とにかく、その後スカヨハはどういうわけか途中で別のアジアのチンピラグループに捕まって腹を蹴られて体内にドラッグが流出して「ひとり死霊館」状態に。
その後気が付いたらスカヨハの脳味噌が覚醒していた!
X-MENシリーズのOPを彷彿とさせる「ドラッグ浸透」演出はあまり面白味が感じられない(というのも具体的にどうやって脳を覚醒させているのかサッパリわからない。せめて「それっぽさ」が欲しかった)
脳が覚醒してもなんていうかやはり中学生レベルの思考っぽいセリフ回しだし、アクションが抜群にいいわけでもない。でもスマホ操作してるっぽいモーションで敵を次々にシャットダウンさせていくシーンは変な笑いが込み上げてきた。
クライマックスは、韓国の兄貴文化が炸裂する涙のスライディングロケットランチャーが印象的。「はい、ボス!」と元気よく答えた彼のロケラン弾頭は結局どうなったのだろう……。
完全に脳が覚醒したスカヨハはよくわからない境地に到達。脳という優れたコンピューターで宇宙の歴史にまでアクセスしたということなのだろうか。
時がどうのこうのとか言ってるし、途中からは「操る」ではなく「遡って体験する」ような感じだった。
そしてそれが最終的にギャラクシー感溢れるUSBメモリに集約される謎のラスト。あれパソコンに差し込むのかなり勇気が要るだろうなあって。
とにかくリュック・ベッソンが一人で勝手にフィーバーして観客すっかり置いてきぼりな内容。
でも監督がいい意味でまるで成長してなかったのがひしひしと伝わってきたので、良いです。楽しかったです。