yukihiro084

LUCY/ルーシーのyukihiro084のレビュー・感想・評価

LUCY/ルーシー(2014年製作の映画)
3.5
実は数日おいてもう一度観た。
これも二度見と言うのだろうか。

猿人から数えたら人類候補は、
実にたくさんいた。
猿人、原人、旧人、そして新人。
僕らは新人に属している。
旧人のネアンデルタール人と僕ら新人が
この星に(同居していた)時期さえあった。
ネアンデルタール人もそうだが、
滅びてしまった人類候補の種たち。
運良く人類として(生き残った僕ら)を
見て、彼らは失望してはいないか。
僕でさえ、ワイドショーでやっていた
ドナルド・トランプのよくわからない
記者会見に(大丈夫か俺ら。こんな無茶
苦茶な人間に振り回されてるのか。)と
激しい失望と恐怖を感じているのに。

僕らは(自分たちが人類の最終形)だと
勝手に思っている。

今、こうしている間も、地球のどこかで
(僕らを凌駕する)新新人類が生まれて
僕らを駆逐してしまう可能性を考えても
いない。あのネアンデルタール人だって
きっとそうだったんだろう。

映画。
これは悲劇のお話なのだな、と思う。
彼女は、自分の行く末をわかっている。
でも彼女は、痛みも恐れも感じない。
そもそも、人間らしい感情を失ってゆく。

悲劇なのだけど、彼女は泣かない。
泣かないと言うより、泣けない。
可哀想だなって思う。

モーガン・フリーマンのセリフに
(サクリファイス)とある。やっぱり、
ルーシーは失望してやいないかって思う。
期待に応えられるほどの僕らじゃないよ。
とモーガンの代わりに声に出してしまう。

ラストが。やはりラストが。
どうせだったら、キャプテン・マーベル
みたく、究極のチートキャラになって、
新新人類の最強ぶりを見せて欲しかった。
何度観ても、そう思ったりもする。
その方が映画としてわかりやすかった
ろうし、盛り上がったろうし、
映画的カタルシスもあったろうに。
しかし、これは悲劇の話なのだ。

全能なはずなのに、やっぱり
カーチェイスはあるし、銃撃戦もある。
彼女が右手をフッと動かせば、
全てを一瞬で消すことも可能なのに、
カーチェイスも銃撃戦もやっぱりある。
まるで(TAXI)と(LEON)の
良いところを見繕ったみたいに。
リュック・ベッソン。単純かよ。

劇中、彼女は、『思い出に。』と呟く。
残り少ない人間らしさに、
やっぱり可哀想だな、って僕は思う。

久しぶりに観た。数日おいてまた
観直した。何が引っかかっていのか、
自分でもわからないけど、観て良かった。
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