広島カップ

セックス・チェック 第二の性の広島カップのレビュー・感想・評価

3.5
LGBTなどという言葉はもちろん無いし性の多様性についての認識は一般的に低かった時代の作品にしては、表現手段はかなり乱暴ですが人の性について踏み込んでいた作品。

半陰陽のランナー(安田道代)を指導する陸上コーチ(緒形拳)の話。
そのランナーを女子の100m選手としてオリンピックに出場させる為に、男っぽい方が爆発的な力が出るからと「男になれ!」と指導するコーチ。しかしセックスチェックで女性とは認められずに出場ができなくなる。すると今度は「女になるんだ」と言いはじめ女になる為の指導を始める。その結果メンスが始まったりして再びのチェックで女性と認められる。だがそれ故に記録は平凡なものに落ち込んでしまう。

哀れなランナー。
コーチにいわれて男になったり女になったりする彼女(彼)。自分自身の決める生き方は何処にあるのか。性は自分で決めるもので他人が決めるものではない。
緒形拳演じるコーチの強烈な個性から女性蔑視的な見方をされてしまった作品ではないかと思います。
しかし今の時代に観ると「性は誰の物」というテーマ性が強く見えてきます。
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