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ボックストロールのdenizのレビュー・感想・評価

ボックストロール(2014年製作の映画)
3.6
「チーズも帽子も箱も、あなたを変えてはくれない。自分で変わるんだ。」

自分的スタジオライカ3作目。
舞台は近世ヨーロッパに思える時代のチーズブリッジという名前の街。
段ボールを頭から被ったような"ボックストロール"と呼ばれるモンスターがいた。
彼らは、夜な夜な出没してはチーズや赤ん坊を奪っては食べると噂されており、夜間は外出禁止令さえ出されている。
物語を動かす人物はふたり。
ひとりはボックストロールたちに育てられた、自分もボックストロールだと信じているひとりの"少年"・エッグス。
もうひとりは、ボックストロールの駆除業者・スナッチャー。街の権力者の証である、"帽子"を手に入れる為、街の全てのボックストロールを駆除しようとする。
スナッチャーの執拗な駆除の手に、トロールたちがどんどんとその数を減らしていく中で、エッグスは自らの出自を知り、仲間の救出に立ち上がる。

スナッチャー役のベン・キングズレーが怪演。ネタバレになってしまうので詳しくは言えないが、とある部分での演じ分けが凄い。
ジブリ的なアナログ全開の機械デザインが観てて楽しい。
なぜかチーズと帽子が権力の象徴である謎世界。
ライカの魅力の"ブラックさ"は今回も顕在だが、脚本としては全体的にちょっと随所の詰めが甘い仕上がり…。
世界観が良いだけに、ちょっと勿体ない。

ただ、もう今更過ぎるが、映像は見事の一言。
エンドクレジットのみ、予想外に普通の2次元アニメーションだっだが、それも大変秀逸。
「もしこの世界がちっぽけな場所でさ、
実は巨人たちが俺たちを動かしていたら…どうする?」
と語る人形を動かす、メイキング映像が一番印象的だった。笑
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