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バクマン。のmingoのレビュー・感想・評価

バクマン。(2015年製作の映画)
4.0
岡ゴズと突発オールナイト映画会のラスト作品。tohoシネマズ新宿にて。

ゴズリングの妹が美術で参加してるときいて楽しみにしてたが、本当に美術や小道具に一切の抜かりなし。ポスプロも含め編集に1年間費やしただけあって、日本のクリエイティブの結晶が詰まった映画だった。そしてジャンプ愛読歴20年、実家に漫画5000冊の僕が言うんだから間違いなく傑作。(ここだけの話10年くらい前に一度だけ小学館IKKIのイキマンに漫画を投稿したことあります笑)

「友情」「努力」「勝利」ジャンプのスローガンをまんま表現しており、原作が好きな人もジャンプを愛読してる方も、老若男女すべての人が楽しめる。僕の身体の半分くらい少年ジャンプで出来てると言っても過言ではない。主人公がサイコーなだけに邦画エンタメなら今年度ぶっちぎりなくらいサイコーじゃないかな!実写版ピンポンを彷彿とさせる成功例。

もう序盤から終盤までアドレナリン出まくり。ぜひ劇場でぶち上がって欲しい。大根仁まじで凄すぎ。小松菜奈結婚してほしい。

個人的な話をすると、わたし美大に行く前に一般大を出てまして卒論で「マンガの経済学」という、漫画の歴史から市場分析までありとあらゆる文献、論文を国会図書館で調べ上げ書き上げた論文があるのですが、そんな当時のことを思い出すくらいマンガ愛に満ち溢れた映画だったことをここに宣言します!笑

集英社の就職試験で漫画に対する熱い思いを書いた小論文が通過して、わいが漫画界変えてやるんや!て思ったこともあったな…懐かしい…今やデザイナーですから人生は漫画みたいなもんです…

日本がどの国より漫画が発展してきた理由は読者票というシステムのおかげなのだが、クリエイターは「良いものを作らなければ意味がない」と言われてるようでズシンときたな…なんて残酷な世界に身を置いているんだて実感せざるをえなかったし、漫画家はほんとに孤独だし偉大な職業。

漫研に所属してた友人は何年か前に月刊サンデーで連載してたけど消えてしまって今は何をしてるかわからないし、ジャンププラスで連載してる「とんかつDJあげ太郎」の小山くんはブレイク中だけどこの先の保証はどこにもないわけで、会社勤めの自分とは比べようにもならないくらい大変なんだろうな…

ちなみに劇中の漫画作画も小畑健先生が大踏ん張りしているのだけど、アシスタントをしてた村田雄介先生(アイシールド、ワンパンマン)と以前名刺交換させて頂いたときに「小畑先生は線が細くて、ほとんど何も食べずにずっと漫画ばかり描いている人だった」とおっしゃっていて、より感極まざるをえなかった…

そして原作の大場つぐみことガモウひろし先生の「ラッキーマン」オマージュの「バックマン」の愛くるしい絵もたまんないよ。ラッキーマン世代すぎて、大好きだよ追手内洋一。
さらにどうでもいいトリビアを披露すると、劇中に出てくる八王子の「まつおか書房」は月曜日よりも前に先読みした客がジャンプを売ってたので、土曜日にジャンプ100円でゲットできる古本屋さんだったな…

苦しくて悩んで、それでも漫画を描く。
描く。描く。描くしかない!!!
生まれ変わったら、僕も漫画家になりたい。そんなことを思わせてくれる大傑作だった。。。
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