まるで贅肉のない、ソリッドでストイックで硬質なドラマ映画だった。ダルデンヌ兄弟はインタヴューで「労働における連帯」、という言葉を使っていて(もうそれだけでサヨクアレルギーなひとびとは腹立たしいんじゃないだろうかと思うけれど)、まさにそういったある種普遍的な労働倫理や労働の基盤を成すものについてこの映画は語ろうとしている。とまあでっかいことを言わなくても、ぼくやきみがサンドラだったとしたら? あるいはサンドラの同僚だったとしたら? どうするだろうか。そういうふうに『サンドラの週末』は観客へ問いかける。それにしても木津さんが言っていたとおり、フランスやイタリアなんかはほんとうにきびしいんだろうなあ……。スペインも大変だし。ドイツはどうなんだろう。いちワーキングプアとしては感じ入るところがありすぎる。マリオン・コティヤールの演技はほんとうに素晴らしい。