んー、、、
NHKの韓国語講座の映像を延々と見せられているような気分になってしまった時点で、私はこの映画の良さが分かっていないんだと思う。
ソニという自由な女に翻弄される3人の冴えない男たち。という構図は好き。ただそれを見せるための撮り方を一切していない。そこがホン・サンスなんだと言われればそれまでなんだが、ではどこがいいのかと言われると何がいいのか分からない。やはり、彼女の動きや表情を見せて欲しいと思ってしまう。
動くことをやめたカメラは、会話する2人を機械的に捉える。センサーの誤作動のように時折ヌッとズームする。長回しで撮られた会話から登場人物の感情や思いが染み出てくる。出てくる男という男が、もはやそれがルールであるかのように女に魅力されていく。
しかし、そもそもソニという女の魅力自体が全く画面に漂ってこない。ただ何となく男たちが吸い寄せられていく様が淡々と映されているため、珍妙な会話劇をひたすら見せられているような気分になってくる。
本作のようなシンプルな建てつけの映画は個人的に大好きなのだが、正直ちょっと分からなかった…
ネタバレ↓
1つとても好きなシーンがあった。
行きつけの飲み屋にチキンのデリバリーが到着するシーン。チキン屋さんがやってくる前に、唐突に音楽が入り込んでくる。この唐突な音楽とチキン屋さんという外部からの2つの侵入者に対する処理の仕方がすごくいい。
あくまで外部は外部として切り離しつつ目配せだけはする。飲み屋のママが話しかけるまでは、外側と内側に完全に線を引く撮り方をしている。「断」と「続」のとてつもなく綺麗な流れ。
このワンシーンに関しては正直痺れた。