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レゴ(R)ニンジャゴー ザ・ムービーのRenのレビュー・感想・評価

2.5
正直、どうしたレゴムービーと思わざるを得ない出来でした。前2作が面白かったので過剰に期待してしまったのかもしれませんが、直前で『レゴバットマン ~』を作ったシリーズの新作とはどうしても思えなかった。

どんどん対象年齢は下がってきているのだけど、それでも前作はちゃんと観られるクオリティを保っていたのでそれは言い訳にはなりません。敢えてはっきり書きますが、物語の根幹の思想も明らかに後退しています。
「どんなことがあろうとも、血縁(家族)は尊いものだ」と信じて疑わない人が作った、「親がどんなに酷くても/どんな過去があっても、子の寛容によって一つになれる」話。『レゴバットマン ~』が血縁など関係無くても家族になれるという話だったのに、今作では急に旧時代のアメリカ的思想に戻ってしまっているのが不思議でならなかった。細○守作品に感じる居心地の悪さを感じてしまったのが残念でした。

展開も市街地アクションから森の奥地でのロードムービーになったりと、バリエーション豊かというよりは節操が無く、観た後に思い出してしまうようなシーンが特に無かったのも減点ポイントです。
せっかく『ベイマックス』のような戦隊ものの体を為しているのにキャラ立ちが微妙だったため、やはり記憶には残らない映画となってしまっていると思います。

ただ、冒頭から人間界の存在を示したのは英断だし面白かったと思いました。これによってラスボスがレゴでは無くなり、視覚的な娯楽度がぐっと上がる。でっかいにゃんこ可愛い。

CGでレゴを再現すること自体が発明なので、そのフォーマットでたくさん遊びたいのは分かるのだけど、だからってあれもこれもと作りゃいいということではないなと。一作目がそもそも、人がレゴで遊ぶ・何かを創造する構造ありきの、どちらかと言えば一発勝負のアイデアものだったので、新作を作るならもっとガチガチに褌を締めてかかってほしかった....!
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