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22ジャンプストリートのsanbonのレビュー・感想・評価

22ジャンプストリート(2014年製作の映画)
3.6
実はこれ、2作セットのBDを買ってしまっていた為、一作目で既にあまりハマらなかったのだが仕方なく鑑賞する事に。

内容は、前作の完全な焼き直しでしかなく、舞台が大学になったのと、劣等感を感じる役が前作とは立場が逆になっている事以外は見事に展開が前作そのまんまなのである。

設定や場面などを小ネタ程度に踏襲するだけなら、シリーズ物"ならでは"の面白味を演出する手法としては大いにアリなのだが、今作は前作のストーリーラインを場所とキャラを変えただけで、ほとんど同じように展開していくもんだから、ただの手抜きのようにも感じてしまう程で、ヤクの元締めが序盤に出てきて取り逃すといった流れまで全く同じにするのは、試みとして面白いかと問われれば、どちらかと言えばスベっていたと思う。

また「前回は大コケするかと思った」や「成績が良かったおかげで予算が増えた」など前作の予想外のヒットをメタ的に台詞に絡めてきたり、様々な映画をパロディしていたりと、思わずニヤリとしてしまう演出が全編に散りばめられてはいるのだが、それって結局は他人のふんどしで相撲をとってるだけだし「デッドプール」みたいに突き抜けたイジリをしている訳でもないから、非常に作品としては中途半端な印象になってしまっていた。

ストーリーは前作の流れをなぞるだけで、演出は他作品のパロディとあっては、今作にとってのオリジナリティは一体どこへやらといった感じである。

更に、今作で仲良くなるアメフト部のメンバーに、ヤクの売人の嫌疑がかけられ落胆するという展開について、実はそいつは売り手ではなく買い手であった事が後に発覚し安堵するといったシーンがあるのだが、いやいやいやいや、なに胸を撫で下ろしてんだどっちも犯罪者だわ!

このシリーズ、麻薬の使用に関してはやっぱり容認しているようにしか思えず、それは多分製作者側にも薬物の常用者がいるからなのだろうと勘ぐってしまう。

でなきゃ、違法薬物検挙の話を作る上でこの発想には至らない筈である。

中には、大学内で恋仲になる相手がまさかの署長の娘という展開など、面白い部分も確かにあったにはあったが、それらも結局のところは話の大筋には関係のない、トッピング程度の要素で終わってしまったのは実に詰めが甘いし、正直トータルとしての出来も最後まで観れはするけど…といった印象でしかなかった。

ただ、エンドロールでの"もしも「22JUMP STREET」以降もシリーズが続いたら"というテイの、架空のポスター風ビジュアルは面白いアイデアだったし、もう続編は作らないという確固たる意志が垣間見える捨て身のギャグだった事に関しては、唯一評価したいかな。

よし、無事観終わった事だしBDは友達にあーげよっと。
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