【ムーミン is ゾミア】
ジャンル：ゾミア伝説
簡単なストーリーを紹介しましょう。
難破船から必要物資を巻き上げたムーミン一家は、憧れの地へ渡航、豪遊し、その地の生態系を破壊し帰郷するのでした。
知人からムーミンはギャングだと紹介され、ちょうど90分程度持て余したので鑑賞に至りました。ギャングというか、ゾミアでした。
まず、冒頭からイモを主要作物として育てていることが明示されますので、これは説明不要のゾミアたる証です。また、終始完徹される富の集積への無頓着さからも、彼らが意図的に主権者を立てず、各個人が平等であることを徹底する姿勢が伺えます。
このような無自覚の集団心理により、国家に属さない集合体を形成し、資本主義の搾取構造から逃れることに成功しているのです。
極め付けは、ゾミアは俗世の民と関わらないことにより、病から逃れる選択をすることを明確に表しています。
ゾミアは病に罹患した者を切り捨てます。それが集団の暗黙のルールであり、ゾミアという集団を生かすための最善の選択だからです。個が特別なわけではないということは、個がいなくなったとて困窮しないということに繋がります。ゾミアにとっては集団こそが一つの生命であり、個は生命の一部でしかないのです。
しかし、個の数を減らし過ぎては集団形成が危うくなるため、疫病を持ち込まれる外部要因を極限まで減らす選択をするわけですね。
そういったゾミアの在り方を教えてくれる作品でした。
※うろ覚えの知識を基に、とても適当な記述をしていますので、真に受けないようにご注意願います。
