噛む力がまるでない

はじまりのうたの噛む力がまるでないのレビュー・感想・評価

はじまりのうた(2013年製作の映画)
-
「よし、アルバムを作るぞ! バンドメンバーを集めるぞ!」
ジョン・カーニーのいつもの少年ジャンプ的な展開にまたかよ!という突っ込みこそあれど、大好きですよあなたのそういうところ。
街角レコーディングのシーンがまーとにかく楽しい。好きな音楽だけを素直にアウトプットして描く愛情と熱情にまたしてもやられてしまいました。

「シング・ストリート」「ONCE」と構造はほぼ同じなんですけど、お話をそれぞれ違うように閉じてるのがよいですね。このエンディングも大変好みです。抱きしめたいくらい。

上記の二作に比べて有名な役者さんが出まくっているので綺麗に仕上がっちゃった感もありましたけど、でもこのキャストじゃないと出来なかったであろう音楽と画の強さのバランスに納得。
娘さんの手首が硬くてちょっとまだギター弾きなれてないたどたどしさがよかった。天才的なソロでも披露したら引くところでした。

ダンの「陳腐な風景が音楽で光り輝く真珠に見えるのが、年を取るほどなかなか見られなくなる」という台詞、すっごくわかる。