しゅんかみ

ザ・レイド GOKUDOのしゅんかみのレビュー・感想・評価

ザ・レイド GOKUDO(2013年製作の映画)
4.0
 アクションシーンも最高、ストーリーも最高、キャラクターも最高。でも一本の映画としては惜しい…という印象。

 前作『ザ・レイド』は「100分のうち90分がアクション」みたいな前評判だか宣伝文句だかに違わず、アクション、ちょっと一息つくかと思いきやアクション、一息つかずにずっとアクションみたいな映画だった。
 しかも、そのアクションというのが「シラット」という謎の超高速格闘技で、そのスピードをと痛みを最大限に伝えるカメラワークと編集に、ただただ圧倒された。(余談だけど、『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』の格闘はこのシラットの雰囲気を感じるんだけど考えすぎでしょうか。)
 しかし一方でストーリーはそこまでドラマティックな面はあまり感じず、一直線で、ある意味それが魅力でもあるけど物足りなさでもあった。


 今作は、まずそのドラマパートが格段に進化していた。前作のキャラクターは早々に退場し、主人公ラマは潜入捜査官となり、マフィアのボスの息子ウチョに取り入るミッションを課せられる。
 ここが普通に潜入捜査ものとしても面白いのだけど、どことなく801な匂いもさせながらなのが今風で面白かった。とくに主人公のラマ、ウチョ、そしてウチョの右腕エカ、の3人の三角関係のような人間模様は、もっと掘り下げても良いのではとすら思うほど。
 それがラストのアクションに活きてくるあたりは、ブロマンス的にも素晴らしいですね。
 
 加えてキャラクターも素晴らしく、バット男にハンマー女、ナイフ使い。そしてマッドドッグが転生したプラコソさん。
 この辺のキャラクターと、そのキャラクターに準じたアクションはとても素晴らしい。とくにバット男&ハンマー女vsラマはずっと見ていたいほど。


 ところが、その進化したドラマパート、キャラクターがあるのに、なんかいまいち脳天に響くような衝撃は感じられなかった。
 なんというか、ドラマパート→アクションパート→ドラマパート→アクションパート→ドラマパート…の繰り返しで、ダメな日本のRPGのような作りに感じてしまったのが、やはり惜しい。

 とはいえ、やはりシラットの見せ場、アクションは最高に素晴らしく、あんなに痛く見えるアクションながら興奮してしまうというのはなかなか出来ない体験なので、今後もギャレス・エヴァンス監督&イコ・ウワイスコンビで、ザ・レイドシリーズでなくても映画を観てみたい!


そういえばイコ・ウワイスは『フォースの覚醒』に出るらしいけど、一体どんな役なのか…しかもドニー・イェンが出るという噂もあるし、『スター・ウォーズ』になにが起ころうとしているんだ…w