きりん

ジャングル・ブックのきりんのレビュー・感想・評価

ジャングル・ブック(2015年製作の映画)
4.1
ジャングルの青々とした緑は美しく涼やか。本物と見紛うほどの動物達が登場するが、内面のキャラクター性が濃いのでファンタジックで面白い。
実写版では自然現象や人間が使う火に対して、動物達が名前をつけていてすてき。

人間であるモーグリの存在とジャングルの動物仲間達を軸に、森で暮らすのか人里へ出るのかというストーリーの方向性が最後までブレず、アニメ版よりも大分物語がスッキリと整頓してあって観やすかった。
その分あっさりとした仕上がりの印象で、全編ノーカットで観たのにもっとモーグリの日々を見たかった気持ちにもなった。

少年モーグリ、たくましいだけでなく賢く道具で乗り切る描写が格段に増えており、
牙も毛皮も爪もない人間はこうやって知恵を使って生き延びてきたということを地でやってる。

熊のバルーとモーグリは蜂蜜バディ。
歌はジャングルで暮らすうちに思いついた鼻唄みたいなものが多くて、気ままな感じが良い。

モーグリは現実的で落ち着きがあり、悲しんだり取り乱したり我を忘れたりしない。
それでもティモンとプンバァポジションのような癒しのバルーと会えてよかったな

バルーと黒豹バギーラの旧友腐れ縁コンビぽさが好き。
自分の食事のためでも壁登りしなかったバルーが、友人モーグリさらわれた時は勇気出して頑張って壁登ってるの胸熱…

アニメ版だと猿たちもデフォルメされコミカルだったけど、実写で猿たちに囲まれてる図はこわいw
猿王の歌こんなによかったっけ、すごく拳が聴いてる(笑)


⚠︎以下エンディングネタバレ


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道具や知恵、赤い花を使うという人間の特性も含めて、ジャングルの仲間として受け入れてもらった楽園のように見えた。
象が象であり 熊が熊であるように。
モーグリはもうオオカミという種族の仲間ではないけど、家族なのは変わらない。
姿形特性よりずっと大きな括りで、
ジャングルで共存する生き物の一枠として見てもらえるようになった暖かいエンドだった。
きりん

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