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ルパン三世 ワルサーP38の群青のレビュー・感想・評価

ルパン三世 ワルサーP38(1997年製作の映画)
3.0
TVスペシャル第9弾。

かっこいいサブタイトルだと思います。
シンプルでいてストーリーの根幹をなすアイテム、ワルサー。ルパンの愛用の銃であり、冒頭銭形が撃たれる銃でもある。
ルパンは自分がかつて使っていた銃だとわかり、襲ってきた殺し屋集団タランチュラの本拠地へ乗り込む。

殺し屋集団は必ず手の甲にタランチュラの毒がつけられる。この毒というのが辛いもので、毒のせいで本拠地から動けない。タランチュラは本拠地にガスが充満しておりそのガスが毒を中和している。つまりあまり外に出すぎるとガスがないので毒が回って死んでしまう。じゃあどうやって殺し屋集団が外で活動するかというと、ガスが入ったマスクをつけられるということ。この毒にルパンと不二子がつけられてしまう。この毒により自由が出来ないのだ。おまけに勝手に島から出ようものなら静止衛星の無慈悲なレーザーによって跡形もなくなる。非情とはこの事。

ルパンガールはそんな自由の効かない場所で自由を願って戦う女戦士、エレンだ。

エレンとルパンはタランチュラで自由をもう一度得ることが出来るのか⁉︎

TVスペシャルの中でも随一に重い。というか他が軽すぎるのかも。とにかく重い。
なにせ今回はルパンの銃ワルサーが引き金となっていて、ルパンが因縁の過去と対峙する話。次元と出会う前なんだよね。後半まで口に出さないけれども。なのでルパンが真面目な顔をしてるのが多い。
しかも血の出方も随一。結構ドバドバ出ます。しかしハードな内容ながら所々にギャグはある。主に序盤で退場してしまう銭形がその役を担う。あと五右衛門。梅干しー笑

調べてたらTVスペシャルでも人気の高いエピソードなそうで。理由は当時観てた時にはわからなかったが改めて観て分かった。ドラマチックと言えば良いだろうか。島だからこそ話が大きくなり過ぎず(地理的に)、登場人物も絞られる。そしてルパンの過去、エレンの自由への渇望が合わさってるからだろう。極め付けは悪役のクズっぷりも凄まじいので感情移入もできる。確かに良いわー

ルパンのテーマも今作から変わっていて非常にかっこいい使われ方をしている。劇場版と言われても遜色ない出来ですな。何年かに一度こういうテイストでやれば良いのに思ってならない作品だった。
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