もの凄く『プラダを着た悪魔』と近しい物を感じていた本作。アン・ハサウェイが大物と同じ職場って設定がそう感じさせるのかな。とにかく見たかったのに後回しにし続けてきた作品です。
ただ意外にも、というのも変ですが、大物俳優の方のデニーロの方にスポットが当たった作品だったんですね。定年を迎え、生きがいを見つけるためにインターンに挑戦する。高齢社会になっている今、こういうお年寄りの生きがい問題は結構シビアな部分かもしれませんね。
とにかく本作の魅力はデニーロが演じるベンの圧倒的な人柄の良さにあります。常に良い行いを心がけ、柔らかい物腰で謙虚さを持つ。自然と人が集まってくるのも納得できるし、あの居心地の良さはずっと見ていられるレベルだと思います。
いやー、それにしてもギャングやら異常者やらいろいろこなしてきたデニーロが、超善良者で超キュートなお爺ちゃん役というのが何ともいいですね。まばたき可愛すぎです。
本作はまじでそこに尽きると思っていて、正直疑問に思うところもなくはないです。それこそデニーロにスポット当たってたと思ったら突然アン・ハサウェイに移っていたり、めちゃくちゃ良いおじちゃまなのに異常なほど女性との距離の詰め方がはやかったり。
だけど女性の社会進出が当たり前になりつつある現在、男が専業主夫をこなしているとかその旦那が浮気をしちゃうとか、そんな今までとの逆転の発想もあるんだと実感できたのも新鮮でしたし、もちろん女性の活躍も見逃せません。
そういった社会的なテーマも踏まえているのは評価すべきですし、何よりあんな風に年を取りたいと思わせるほどのデニーロのキャラクター。
それだけで十分不満をかき消す面白さがありました。
