こたつむり

プライベート・レッスン 青い体験のこたつむりのレビュー・感想・評価

2.6
♪ 何処に行けばいい 貴方と離れて
  今は過ぎ去った 時間に問い掛けて

近くて遠い国、韓国。
物理的には近いけど精神的には遠い…そんな揶揄を含んだ言葉ですが…。

本作も例に漏れず同様でした。
端的に言えば「性欲の塊である十代後半男子を描いた青春物語」なんですが…なんとなくズレているのです。

例えば、男同士の友情。
というか、あれは友情なのでしょうか。禁断の空気が充満し過ぎです。申し訳ありませんが、男同士が下着一枚でイチャイチャするのは…日本の場合、友情と言わないと思うんですよ。

また、性に開放的な同級生についても。
何だか必要以上に屈折した思いを抱えていて、重量感が半端じゃあないのです。人との距離感の詰め方も…日本の場合、確実に「ヤヴァイ案件」にされると思います。

あと、必要以上に盛り込まれた性的な場面も。
これでもか、これでもか、と“くんずほぐれつ”していますが、まるで中途半端なアダルトビデオを見せられているみたい。やはり、性は「触れるか触れないか」のギリギリが大切だと再認識しました。

だからねえ。
心や身体の一部が膨らむ前に、違和感だけが大きくなったんですよねえ。しかも、最初から最後まで“微妙な青臭さ”が漂う始末。ちょっと胸焼けが…うぇっぷ。

そんな中の目玉はペ・ドゥナの存在。
というか、本作を鑑賞する男子の99%は彼女が目的ですよね(僕の調べによる)。正直なところ、彼女の笑顔を拝むことが出来るなら…小さいことはどうでも良い、なんて思っていたのですが…。

なんと、登場するのは映画の中盤から。
しかも、彼女だけが物語から浮き上がっているので…違う意味で申し訳なさが満載。尊いはずの場面も食指が動かず。最後の最後まで盛り上がりませんでした。あー。

まあ、そんなわけで。
韓国では一大センセーションを起こした青春物語。根底に横たわる“原罪”からして、日本人の価値観では妙味を掴みづらいです。それを承知で臨めば…表層の“切なさ”を愛でることが出来る…かもしれません。難易度は高いですけど。
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