きむきむ

パージ:アナーキーのきむきむのレビュー・感想・評価

パージ:アナーキー(2014年製作の映画)
3.8
舞台は遂に外へ!

前作『パージ』では基本的に家の中での話がメインでした。その為期待してたモノと違って残念と言う人が多かったようです。
しかし!この『パージ:アナーキー』では遂に外へ飛び出します!外はまさに"無法地帯"です!

そして今作はそれだけではありません。
舞台が大きくなったと同時に作品のスケールも非常に大きくなりました。
<パージ>に対し、様々な思想を持つ個人ないし組織が登場し、それが主人公達の前に複雑に絡みます。
最終的には<パージ>という社会システムの闇の部分が明らかに⁉︎
そして続編へ⁉︎
是非自分の目でお確かめ下さい!

このシリーズはスリル×アクションというだけでは無く、近未来的な社会システム・政治体制等からSF色も強いのかなと考えてしまいます。(私がSF好きだからというのもあります)
「何故パージが必要なのか」
「何故疑問がありながらも受け入れられるのか」
等々様々な興味深いテーマがありますよね。
最近では時代的にも、強固な統制システムによる徹底的な管理社会、いわば強制的世界平和みたいなSFが多いです。
そんな中でも『パージ』シリーズはそれの真逆を突くタイトルですよね。
とある作品に「システムという檻の中で飼いならされるか、あるいは檻の外で弱肉強食の法則に身を委ねるか」という台詞がありましたが、まさに後者の世界です。
社会に管理されたくなければ自分の身は自分で守らればならないという訳ですね。
そしてこのシリーズでも言及されてましたが、人間というのはそもそもが攻撃的な要素を持っており、それを理性で留めて続けるのは異常だというのも言われています。
劇中にも本当にパージに感謝している人もいて、"記録上"は犯罪は激減し、貧困層も年々減っている訳ですし、経済という視点から見てもこの制度のお陰で消費は増えているみたいです。
その為、このシステムそのもの悪であるとは一概には言えないのがより面白い点だと思います。

しかしながら…
この<パージ>という社会システムは"正義"とか"平和"とかそういう単純な背景で出来上がったモノでは無いようですよ…
続編も期待です!
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