けんたろう

聖者たちの食卓のけんたろうのレビュー・感想・評価

聖者たちの食卓(2011年製作の映画)
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皿がぽんぽんぽんぽん。


異郷の地を側から眺めるといふ此の愉しさ。何かを考ふることもなく、只々眺むるだけ。「ヨーロッパ トラムの旅」 を観てゐるときのやうな、其んな感覚。

す、好きだ……

説明は極少。撮影も殆ど固定。制作側の視点は兎に角淡然たり。「見つめる」といふことに、作品自体が一貫してゐる。だからこその、観てゐて感ずる此の愉しさ。成るほど、シヨオト・トリツプ・ドキユメンタリイと題さるゝだけはある。
さて、睡りたい奴は、睡るべし。安眠剤として使ひたい奴は、安眠剤として使ふべし。ウトウト夢うつゝで観たい奴は、ウトウト夢うつゝで観るべし。何んだつていゝ。何んだつていゝのだ。兎角、タイム・パフオマンスとか何んとかいふ今日日我々を犯したる詰まらぬ概念から解き放つてくるゝ、其んな作品であるとは断言しておかう。
嗚呼、至極の時間であつた。