しゅん

沈黙ーサイレンスーのしゅんのレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
-
A.ガーフィールド演じる神父ロドリゴの信仰の揺らぎが映像からバシバシ伝わってくる。窪塚洋介、浅野忠信、塚本晋也をはじめとした俳優陣の顔のアップに強い力があって、険しい表情の忠信の顔面と動揺するガーフィールドの横顔の組み合わせだけで、とても雄弁に多くのことが語られていた。塚本晋也は野火、シンゴジラ、沈黙と毎回強烈な印象を残してて、役者としてどんどん好きになってきている。蚊の声を常に連れてくるイッセー尾形の怪演も忘れがたい。

ロドリゴが常に処刑の目撃者となっているのは重要なポイントだと思う。作中何度も登場する処刑シーンは湯責めだったり逆さ吊りだったりと、すべてその方法が異なっている。多種多様な死に様を目の当たりにしたことが、キリスト教原理主義者ロドリゴに宗教多様性という思想を気づかせるきっかけとなるのだ。少しずつ、彼の精神は真っ二つに引き裂かれていく。斬首の後に流れる血で画面が二つに等分割されるのは、とても象徴的だ。
青すぎる海と十字架のモンタージュが記憶に残っています。真上から撮った映像が多いのは神の視点への意識なのかな。
とりあえず、すぐにでも原作読みたい。

アダム・ドライバーはスターウォーズの時はピート・タウンゼットに似てたけど今回はボビー・ギレスピーに似てる。ミュージシャン顔なのか?
しゅん

しゅん