広島カップ

マダム・マロリーと魔法のスパイスの広島カップのレビュー・感想・評価

3.5
インドからフランスに流れて来た頑固な親父(オム・プリ)率いる一家が印度料理屋を開きます。
道を挟んで真正面に店を構えていたこれまた頑固な女店主(ヘレン・ミレン)率いるフランス料理屋と全面戦争に突入します。
双方の料理人が庖丁で食材をトントントントンと高速で叩き切って行く場面が交互に撮されるシーンは互いに機関銃を撃っているようで面白かった。時々大きな庖丁で魚の頭をドンっと切り落として大砲を撃ったりして。

ハルストレム監督はスウェーデン人ですが作品の舞台が世界に散らばっていますし登場人物の国籍も様々でとてもインターナショナルなスパイスが効いている監督です。
そんな多国籍な雰囲気の中で人と人との繋りを、時には人と動物との繋りを描くのが上手い。
本作も印度料理屋の次男が緩衝役になって少しずつ両家は繋がっていきます。

本作はインド料理対フランス料理という料理バトルの様相も体していて、後半は漫画「美味しんぼ」のような料理人が味を極めていくというテイストも見られ、女店主が海原雄山のようにも見えてきてしまいます。
広島カップ

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