あーさん

シネマ歌舞伎 法界坊のあーさんのレビュー・感想・評価

シネマ歌舞伎 法界坊(2009年製作の映画)
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**かなりネタバレ気味なので、観る予定の方はご注意を。。




シネマ歌舞伎2023 第9弾

今年最後のシネマ歌舞伎。

途中休憩あり2時間半の長丁場!

吉田家の家宝 "鯉魚の一軸"(りぎょのいちじく)を巡り、複雑に人間関係が絡まり合う。永楽屋の手代 要助(実は吉田宿位之助松若)、松若の許嫁 野分姫、永楽屋の娘お組の三角関係ドタバタ(ホラー?)コメディ。
串田和美演出なので、歌舞伎要素もあり、現代劇要素もあり、結構下ネタ、グロ描写(でも笑える?)あり。。

これは、亡き勘三郎さんが恋しくなるなぁ。
女好きで下品で人殺しも厭わない破天荒…いやもはや人でなしの【法界坊】なのに、どこか憎めなくてついついユーモラスな仕草に笑ってしまうのは、勘三郎さんだからなのか。

勘三郎の法界坊、中村兄弟(要助・松若/野分姫)が主要キャスト。
中村橋之助(現・芝翫)の華のある演技、安定の坂東彌十郎、亀蔵さんを始め、歌舞伎にご縁のある(超下品な💦)笹野高史の驚くべき身体能力!等見どころ満載❗️(他にもお組役には年齢が?と思った中村扇雀のキレのある舞踊にはびっくり!!)

浅草の浅草寺境内に仮設の芝居小屋平成中村座で2008年に上演された。

勘三郎さんによる「双面水照月(ふたおもてみずにてるつき)」という大切所作事(おおきりしょさごと)がお見事!(怖いよ〜)

そこからだんだん盛り上がり、ラストの舞台の後ろが開いて外の景色が見える演出に、お客は大喝采!!
これは生で観ていたら、ニューヨーク公演(2004年)並みのスタンディングオベーションだなぁ。。


本当に観て良かった!!

一年の締めくくりに相応しい作品だった。
あーさん

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