ミチ

ヴィヴィアン・マイヤーを探してのミチのレビュー・感想・評価

3.6
本の執筆の資料としてオークションでたまたま手に入れた大量のネガ。

無名の女性が撮ったその写真に魅せられ、彼女がどんな人物だったのか、何故写真を世に出さなかったのかを、当時の彼女を知る人たちの話から紐解いていくドキュメンタリー。

映画は主に彼女を知る人物のインタビューと、彼女が撮った写真や映像によって構成されている。

その写真の多くは街中で見かけた人を撮ったストリート写真。
チラッと見るだけでもセンスの良さが伝わってくる。

一方インタビューで語られる彼女の人物像は、内向的で変わり者。

観客は彼らの言葉と彼女の写真から、ヴィヴィアン・マイヤーという人物を想像していく。

人はいつも相対的に生きている。

親の顔色を伺い、学校の成績で進路を決め、少ない給料に不満を漏らす。

おそらく彼女は比較的そういうものを気にせずに生きてきた。
しかし彼女がもうこの世にいない今、彼女を知る術は周りの人々の言葉しかない。

やはり人は人の中で生きるのだなと感じた。

自分はどう生きているだろう。

彼女の撮る写真も魅力的だし、1人の女性の生き方としても考えさせられた。
これを機に日本でも個展開いてほしいな。
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