Ay

野火のAyのレビュー・感想・評価

野火(2014年製作の映画)
3.5
評価高めだったので鑑賞...
原作は、実体験を記した小説。

フィリピン・レイテ島の戦いが題材でありながら、陸上戦というよりは飢餓に苦しむ日本兵が食料を探してひたすら彷徨うという内容。

観光地として人気のセブやボホールに近いレイテ島、この島では第二次世界大戦末期1944-1945年にアメリカとの陸上戦が行われたのですな。

約8万人の日本将兵が亡くなったと言われるこの戦いは、台湾沖航空戦で日本軍が大戦果を挙げたと誤認した事から、レイテ島でアメリカを迎え撃てば劣勢が挽回出来ると大本営が判断した最悪の戦い。

更に日本軍の見通しは甘く、食料が尽き多くの兵が飢餓に苦しむ。
主人公田村は、肺病の為野戦病院に行くも追い出され、部隊にも帰れず、たらい回しの末レイテ島を彷徨う事になる。
空腹に苦しむが故、現地民から食料を奪い、命も奪い、更には同胞さえも、生きる為に飢えを凌ぐ為に手を掛ける。(カニバリズムの描写がある)

圧倒的な自然の中、敵兵から身を隠しながら、痩せ細った兵がただ食料を求めて徘徊する地獄を描いた87分。
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