茶一郎

野火の茶一郎のレビュー・感想・評価

野火(2014年製作の映画)
4.6
『戦場で生きるということ』

 原作・市川版、未見。塚本晋也監督作は「鉄男」のみ鑑賞済みです。したがって、今作の製作体制に対しての思い入れもなくフラットに作品を見ることができたと思います。(どうでもいい前置き)


 皆さんが言うように、なるほど『絶対に劇場で見ないといけない』タイプの映画。戦争体験型映画だと思いました。しかし、それは観客へのサービスというより、戦争を描写するのに必要だった。結果として、アトラクション的な戦争映画になったのだと思いました。

 顔のアップと手ぶれによるスクリーンの圧力がすごい。
(必要な)残酷な描写、脳みそ、割れる顔、取れる腕、それを追いかける兵士…
どんなにグロテスクでも絶対にスクリーンから目を背けてはいけないと思いました。

 過酷(なんてものじゃないであろう)な戦地の様子、そこから帰っても、まだなお燃え続ける『火』
それを見て、力強く生きなければ、と。
茶一郎

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