maverick

フィフティ・シェイズ・オブ・グレイのmaverickのレビュー・感想・評価

3.9
2015年のアメリカ映画で、E・L・ジェイムズ原作による2011年の同名小説の映画化。若い女性を中心に大ヒットし、全世界で5億7000万ドルを超える興行収入を記録した。


遅ればせながらの初鑑賞。話題作なのは知っていたが評判が悪いので躊躇していた。『マダム・ウェブ』でダコタ・ジョンソン人気も再燃しているので、これを機会にと意を決して鑑賞することにした。

官能的な描写で知られる作品。なるほど確かにとは感じつつも、突き抜けて過激というほどではなかった。一部分だけならもっと過激な描写の作品がいくらでもある。全体的にそうした内容であるのが本作の特徴であろう。

アナとクリスチャンの二人のドラマは面白味があり、自分としてはむしろこっちの方が興味の対象であった。クリスチャンは完璧な男に見えて、異常な性癖の持ち主。アナはそれに戸惑いつつも彼を受け入れる。サドとマゾの関係性に深みを感じさせて非常に興味深かった。何故お互いにそれを求めるのかに説得力がある。失笑しちゃうような演出もあるのだが、真面目に観ると奥深い。それはダコタ・ジョンソンとジェイミー・ドーナンの二人の演技がしっかりしているからであり、互いに感化されて変化する様を見事に演じていた。ダコタ・ジョンソンは体を張った熱演も強烈。初めてキスをした時のウブな反応など、とても可愛らしい部分とのギャップが凄い。何も知らない子が快楽へ溺れてゆく様にエロティシズムがある。彼女の演技は酷評もされているようだが、自分としては高く評価したい。

アナがクリスチャンに強烈に惹かれるのは納得。そりゃあこんな完璧な男がいたら惚れちゃうよね。性癖だけは特殊なんだけど、でも自分のそれを無理矢理押し付けるようなことはしない。自分の快楽のためだけではなく、相手を喜ばせるためにもやっている。普段も行為中も優しく相手を気遣う余裕もある。運転手付きの車でエスコートしたり、空の散歩を演出したりと、こんな扱い受けたらそりゃあ心も動く。ロマンチックで素敵だもん。そしてクリスチャンがアナに惹かれるのも分かる。素朴だけど純粋な可愛らしさを持った女性。クリスチャンの周りには常に派手な女性がいただろうから、彼女のような女性は魅力的だっただろう。さらに彼女はただ従順なだけでなく、芯のある強さも持っている。それが無いただ素朴な女性なら、彼はすぐ興味を失っていたんじゃないかな。最後にアナが取る選択にも彼女の強さが表れている。ここからどう繋がるのか見物である。


思っていたより全然楽しめた。自分が割とロマンチックな恋愛タイプだからなのかもしれない。昼ドラっぽい展開だけど、続きが気になる。ダコタ・ジョンソンめちゃくちゃ可愛かったし、こりゃ3作一気見しちゃうな。
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