FumiyaIwashina

雨の日は会えない、晴れた日は君を想うのFumiyaIwashinaのレビュー・感想・評価

3.9
妻を交通事故で失ったデイヴィス。不具合の起きた自販機のカスタマーサービスに何の気なしに手紙を書いたことから、カレンと彼女の一人息子との交流が始まる。
大筋は「永い言い訳」と似ているが、個人的にはこちらの方が共感もできて、好みだった。
ジャン=マルク・ヴァレ監督の作品はこれまでもシーンの一つ一つを丁寧に積み重ねるいぶし銀の良さが光る印象だったが、今回も同様。さらに、主演のジェイク・ギレンホールの抑え目ながら、顔の印象や表情で喜怒哀楽がはっきり伝わる演技も素晴らしかった。「マンチェスター・バイ・ザ・シー」のケイシー・アフレックしかり、こういう役はとても好み。
原題は"Demolition"。「心の修理は車の修理と同じだ。まず隅々まで点検する。そして組み立て直す。」という義父の言葉通り身の回りのものを分解、破壊していく主人公。それと同時に自らも分解し、修理していく。
邦題は妻が車の中に残していたメッセージ、"If it's rainy, you won't see me, if it's sunny, you'll think of me."が元になっている。意味がわかったとき、主人公と同様に泣きそうになった。まさに失ってから気づく大切なもの。